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軽規格のライトウェイトスポーツカーに対する提言 Part1

 ホンダ出したS660コンセプトの発表に合わせて、以前書いた軽自動車のライトウェイトスポーツカーを作れ! Part 2に引き続き、軽自動車規格のライトウェイトスポーツカーについてグダグダと屁理屈を並べて行こうと思います。使えるピュアスポーツカーを求める方は、どうぞお付き合い下さい。予め言っておきますが、基本的には酷評です。

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 東京モーターショー2013に先駆けて発表した新型ビート「S660コンセプト」がお披露目となった。来年には、これに近いスタイルで発売に至ると思われるが、その価格は250万前後、車両重量は900kg程度と噂されている。僕としては200万以下で800kg程度の車重であれば合格圏内だが、前評判は上々のようだ。エンジンは後方に置かれたMRレイアウト。ルーフはコペンのように後部からスライドアップする構造らしい。

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 コックピットと呼ぶのに相応しい運転席を見ると、短いシフトノブにペダルが2つ。ステアリングの左右にはパドルシフトが装備されている辺り、この車のパワートレーンはCVTが採用されているようだ。ホンダは「若い世代だけではなく、子育てを終えた夫婦の2台目の車としての利用も想定している」と言っているそうだが、この車はどのくらい売れるだろうか? 排気量を1000ccにしてヨーロッパに送り込めばそこそこ売れるだろうが、取り敢えず僕はこれじゃない感でいっぱいだ。僕にとってこの車は、ライトウェイトスポーツカーでは無い。このテクノロジー満載感が、いけ好かないのである。

 子育てを終えた夫婦に乗って欲しいとのことですが、経済的な余裕のある人ならば、マジンガーZからガンダム1st観て育った世代の人でも買うでしょう。受験勉強に勤しんで、若い頃にあまり遊ばなかったお医者さんとか部長さんが、電気仕掛けのオモチャに乗って排気ガスと紫外線浴びてその気になってりゃいいと思います。そもそも、オープントップで快適に走れる環境が日本にはどれだけあるのでしょう? 地方都市なら分かりますが、都心で、しかも都内でこれに乗るのなら、中古のボクスターにした方が良さそうです。スポーツカーやオープンカーに乗りたい人の中には、注目を浴びたい欲求を抱いている人がおります。そんなタイプの人がサングラスしながらこの車に乗って風を切り、その気になって都市を疾走してたのなら、厚顔無恥もいいとこでしょう。この車には、背伸びしたお金持ちの女子大生とかOLがお似合いです。大人の男が乗ってはいけません。

 「大人の男が乗る車」とかホモい言い方をしますが、僕はホモではありません。ホモはジープにでも乗ってりゃいいと思います。白いTシャツの袖を肩まで捲って、赤いバンダナにレイバンのサングラスして、すれ違うジープに向かってインディアンの酋長のように片手を挙げて挨拶してりゃいいと思います。僕には関係ありません。僕はホモいジープや幼稚な電気仕掛けの似非ライトウェイトよりも、ピュアな本格ライトウェイトスポーツと女の子が好きなんです。例えばこんな車。

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 この娘の名前は、フレイザーFC4ではありません。この車は、ケータハムのSeven160/165です。毎度おなじみのフレームにスズキのツインカムターボK6Aをリミッター解除して積んだような車です。馬力とトルクは 81ps/7000rpm 10.9kgm/3400rpmという数値。0-100km/hは6.5秒程度で最高速度が約160km/hというのは、そこでリミッターが掛かるのだろう。気になる車両重量は490kgで、トランスミッションは5速マニュアル。峠なら3速入れっぱなしで十分かもしれません。本国イギリスなら自分で組み立てれば240万で乗れます。日本仕様で輸入するなら320万程度ってとこでしょうか。本国からパーツを取り寄せたりROMチューンすれば、簡単に本国仕様の馬力に戻せるでしょうし、軽く100馬力程度までチューニング出来るでしょう。なんでまたこんなエンジンを積んだスーパー7を出したのかと言えば税金とかが関係しているんでしょうけど、燃費や排ガス規制の面でも有利ですし、物好きなアメリカ人も買うでしょうしね。色々と面白い車ではあります。

 それにしても、この使い古された技術の車に240万以上とはボッタクリです。沢山売れればの話ですが、こんな簡単な構造の車を日本の企業が量産したら150万以下でも利益出せるでしょうね。さて、貴方はこの車とS660のどちらが欲しいですか? 僕はどちらも欲しくありません。と言うか、買えません。それ以前に、どちらの車両も実用性に乏し過ぎるのです。極端な言い方をすれば、維持費を気にして軽自動車のオープンカーに乗るなら、1000ccのバイクに乗った方が遥かに速く爽快に走れます。加速も最高速も、死ぬほど速く飛ばせます。死ぬほどね。裏を返せば、軽のオープンスポーツカーに、死ぬほどの速さなんか誰も求めていないと思うのです。軽のライトウェイトスポーツカーでサーキットを疾走したい人なんてごく僅かです。殆どの人は休日にドライブしたり、温泉とかゴルフしに行きたい訳でしょ? 旅行先で写真撮ったりゴルフしたり温泉旅館に一泊するなら、荷物が積めなきゃ駄目なんです。僕の場合はサーフィンしに行きたいので、ルーフにサーフボードを載せたいんです。屋根の無い車は嫌なんです。霧雨のロンドンならいいでしょう。しかし、亜熱帯の東京は雨がジャバジャバ降るんです。喧しいトラックの騒音や排気ガスの直撃は食らいたくありません。オープンカーで注目なんて浴びたくないんです。サンルーフでもあれば十分です。かの三本和彦大先生も言ってました。三角窓が無い代わりにサンルーフを少し開ければ、喧しいファンの音を聞かずとも換気が出来ると。それでいいんです。

 軽自動車規格のライトウェイトスポーツカーはオープントップじゃなきゃいけないなんて固定観念は、さっさと捨てて欲しいのですが、頭の硬い団塊世代の相談役やら上層部がゴタクを並べるのか部下が上司に媚びてるのかは知りませんけど、なんで3ドアハッチバックのクーペボディを作らないんでしょう? 軽のライトウェイトスポーツカーなら、実用性を兼ね備えた方が商品としての価値も可能性も高いと思うのです。実用性を備えることでスポーツ性が損なわれるなんて言い訳はさせません。技術を売り物にする日本企業ならば、車を劇的に軽くするテクノロジーが有るじゃないですか。そんな訳で、次回はその軽量化と実用性に富んだ軽規格のライトウェイトスポーツカーについて語りたいと思います。

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