てんせいじんごっこ.blog

Home > スポンサー広告 > スポンサーサイト 社会 > 回転寿司のサーモンはいいの? 食材偽装問題の陰に潜む日本人の意識と習慣

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

回転寿司のサーモンはいいの? 食材偽装問題の陰に潜む日本人の意識と習慣

HANKYUHANSHIN.jpg

食材偽装、ホテルオークラも エビや牛脂注入肉
http://www.asahi.com/articles/TKY201311070180.html

 ホテルオークラ(東京都)は7日、運営する13ホテルのレストランや宴会場、ルームサービスなどで、バナメイエビを「芝海老(エビ)」と表記するなど、メニュー表示と異なる食材を使っていたと発表した。牛脂注入肉を使っていたのに「加工肉」と表示していないケースもあった。消費者庁に報告したという。「信頼と期待を裏切ったことをおわびする」としている。

食材偽装、400施設に 消費者庁の立ち入りも 産経新聞集計
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131109/crm13110906590002-n1.htm

 全国各地のホテルや百貨店で相次ぐ食材偽装表示問題で、発端となった阪急阪神ホテルズ(大阪)の10月22日の発表以降、偽装表示が確認されたのは少なくとも約400施設に上ることが8日、産経新聞の集計で分かった。消費者庁は今後、事実確認をする中で、事業者が調査に非協力的な場合などには景品表示法に基づき立ち入り調査に乗り出す方針を固めた。


なにを今更

 阪急を皮切りに、一流と名の付くホテルや百貨店のレストランで発覚する食材偽装問題。「偽装」ではなく「誤表記」なんて言い訳したもんだから、騒ぎが大きくなってしまった。消費者庁が調査に乗り出し、事態の収束を考えているようだが、この問題は容易ではない。調べて注意したところで、その先にある問題を日本は解決出来ないのである。

 一連の騒動に対して「裏切られた」と街頭インタビューで怒りを訴える消費者達。確かに嘘はいけません。そんなことは分かっています。ですが、僕からすれば「なにを今更」です。あの程度の偽装表示は、飲食業界では日常茶飯事なのです。特に『一流ホテル』ではね。

 「魔法の国」だの「夢の国」と念仏を唱えていたガサツな女の朝ドラがありましたけど、今回の食材偽装に対して真剣に怒っている人達は、あの女と同じぐらい馬鹿だと思います。食の安全性という視点から考えれば、アレルギー物質を含んだ合成肉等は命に関わる大問題です。この種の偽装に関しては、厳しい態度で臨まなければいけません。しかし、バナメイエビを「芝海老」と偽って提供するのは、今に始まったことではないのです。言わば、飲食業界の常識ってやつです。

 今回の事件が発覚する以前、アレルギー物質による問題や輸入肉の加工品等(有名なウィンナーとか)の表記を統一するために、食品表示法が制定されたのは記憶に新しい。それに続いて、中国産の野菜に含まれる違法な農薬や、ずさんな管理下で製造された冷凍餃子など、消費者は食の安全性に対して過敏にならざるを得なかった経緯がある。そこへ来て、此度の偽装問題が物議を醸し出しているのですが、ひとつ思い出して欲しいことがあります。それは、消費期限を偽った、スーパーの『お惣菜』を内部告発した事件です。

 刺身用として陳列した売れ残りの魚で加工した寿司を「偽装」と称して告発した問題が過去にありましたよね。おそらくは内部事情に疎い、もしくは、連日報道されるニュースに感化されたパートのおばちゃんがチクったのでしょうけど、この事例がグレーゾーンな訳です。魚などの生物(なまもの)では問題もありますが、小分けしたトレーにラップをして、目方と金額に加工日と時間を明記して売られた精肉の残りを調理加工し、お惣菜として後日再利用するのは、どこにでもある話だと思いますが、これを業者がやったら偽装問題で、家庭の主婦がやったなら『生活の知恵』となる訳です。食材を余すことなく使い切る、賢い奥様と自慢出来る話になるのです。普通なら捨ててしまうような大根の葉を漬物にしたり、厚目に剥いた皮を細く切って炒めものに使ったりすれば、栄養のある料理が一品増える訳です。これこそが、料理の真髄であったりしませんか? 進駐軍が捨てる牛の内蔵からホルモン焼きが生まれたり、レストランの『まかない飯』が看板料理になることも、これと同じではないでしょうか。一流レストランや主婦に限らず、調理の現場では日々そのようなことが繰り返されているのが現実な筈です。

 素性の知れないマグロの寄せ集めに油を混ぜてミンチした『中トロの軍艦巻き』が流れる回転寿司。エンガワはヒラメではなく深海魚。サーモンはサケではなくてトラウト(マス)。そんな記事が週刊誌に載っていましたが、誰も文句を言いませんでした。薄々感じてはいたものの、「安くて旨けりゃいい」とばかりに頬張っているじゃないですか。それが回転寿司なら良いけれど、一流ホテルなら大問題な訳です。そこに違いがあるのなら、それは値段と消費者の意識でしょう。

 そもそも、 一流ホテルの調理場なんてものは、世に言われる程の高尚な職場ではないのです。大きな宴会場を備えた旅館や結婚式場にしても、巨大な厨房は大量生産しなければいけない食品工場のようなものです。均一な品質を保つためには、味が確かでいつでも入手出来る冷凍エビを使うことが、生産効率を上げる手段なのです。だからと言って、冷凍のバナメイエビが芝海老に劣るとは言い切れません。しかし、一流ホテルが正直に「バナメイエビの○○で御座います」と料理を出したところで、それに納得するお客はいないでしょう。「冷凍エビか? 輸入品か? レンジでチンかよ!」と文句を言うに決まっています。バナメイエビの真実を正直に説明したところで、それに納得出来る人はいないのです。

 「クリスマスイヴの日には夜景の綺麗な一流ホテルのレストランに予約を入れて」なんてのが流行ったバブル真っ盛りの頃から、多くの人がなんの根拠も無しに「一流」と名の付くブランドを安直に信じて来たのが事の誤りなのです。同じ豊後水道の魚であるのに、水揚げされた港によって「関サバ」と名が決まる。松葉ガニや越前がに、大間のマグロと葉山のアオリイカ。次から次へと現れて、赤坂の料亭や銀座の寿司屋に流れて行く。一流と呼ばれる店で初めて食べた料理を「本物の味だ!」と分かる客などそうはいない。「これが本物の味か!」と信じ込んで来ただけの話です。若い頃に上京し、都会で一旗揚げた地方出身者より、お袋さんや婆ちゃんの郷土料理を味わって来た田舎者の方が、なにが旨いかを知っているかもしれませんよね。一流とか大手といったブランドを安直に信じ、なんの下調べもせずに株式投資をする人なんて少ないと思います。それで投資に失敗したところで、誰にも文句は言えないでしょう。私達はもっと賢くならなければいけません。どのようなものが一流で確かなものなのかを、知らなければいけないのです。今回の偽装問題に怒りを感じている人は、農協の団体旅行を笑えないのです。

 消費者庁が全ての飲食店に表示の義務付けをするのであれば、小さな食堂を営むおじちゃんおばちゃんは大変です。バナメイエビの掻き揚げ、ブラックタイガーの天ぷら、ブラジル産冷凍チキンの焼き鳥など、夢も希望もない時代がやって来ます。自給率が極端に低く輸入品に頼るしか方法がない今の日本に、正しい表記で国産の食材を提供出来る体力は残っていないのです。芝海老の名の由来は東京の芝浦ですが、今の芝浦に芝海老が捕れる海はありません。浅草海苔も同じです。今回起こった食材偽装問題の裏を返せば、私達は今日の食品流通の実態を知る良い切っ掛けを得た訳です。一流というブランドに過度な期待を抱かず、等身大の生活に満足出来る実直さが私達にあれば、今回の大規模な偽装問題は起こらなかったかもしれません。
関連記事

Comments

post
Comment form

Trackback

Trackback URL
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。