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九十九里浜の海岸侵食に関して

2020年の東京オリンピックでサーフィンが正式種目に選ばれ、その試合会場は千葉県の一宮町に決定しましたが、この一宮町を含む千葉県の九十九里浜一帯は、大規模な海岸侵食の問題を抱えています。

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※画像はイメージ

この海岸侵食による砂浜の後退が起こった原因は、九十九里の北側にある屏風ヶ浦と南側にある太東崎などの海食崖が崩れるのを防ぐために投入された帯状の消波ブロック。つまり、テトラポッドのこと。この護岸工事によって崖が崩れなくなり、砂の供給源が絶たれたのが九十九里侵食の主たる原因とされ、その他に砂防ダムや川岸の整備などで、河川からの土砂が海岸に流れ込まなくなったのも侵食の原因だと考えられます。

また、太東漁港・飯岡漁港・片貝漁港などの拡張工事による漂砂への影響も大きく、九十九里浜の侵食は瀕死の重体と例えられるほどの深刻な状態になっているようです。そうであれば、病の根幹である屏風ヶ浦と太東崎のテトラポッドを撤去し、元の姿に戻せばいいと思うのですが、この問題は、そう簡単には解決できない障害があるようです。

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帯状のテトラポッドが並ぶ屏風ヶ浦の光景

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太東漁港の南側にある砂浜は漁港拡張工事の副産物で嘗ては存在しなかった海岸

屏風ヶ浦と太東崎の海食崖崩落を守るテトラポッドの護岸は、地域住民や千葉県が国に申請して行った事業であり、国土保全の観点からして、テトラポッドを簡単に撤去することができないのです。当時の知識と技術では、今日起こっている大規模な海岸侵食を予見できず、このような事態に陥ってしまったのですが、仮に、このテトラポッドを撤去して元の姿に戻すとなれば、その費用は千葉県が負担し、護岸工事に掛かった国費も返納しなければならない可能性もある訳です。

東洋のドーバーと謳われる屏風ヶ浦の海食崖。しかし、ご当地イギリスのケント州にあるドーバー海峡に面した白亜の崖は、自然の状態のまま放置されています。欧米では国立公園に属する地域には人間の手を加えないのが基本原則であって、そのような観点からして日本は環境後進国といえます。

しかし今回のような事態を招いたのは行政の失態ではなく、我々国民が自ら行った過ちだといえるでしょう。このような環境破壊が起これば、地方議員や国会議員、自治体や行政のあり方を私たちは安易に批判したがります。ですが、この屏風ヶ浦や太東崎の護岸工事に端を発する九十九里の海岸侵食は、私たち国民が願って行ったことによる失態なのです。

古来より自然信仰が定着していた私たち日本人は、どこで道を誤ったのでしょう。九十九里に発生している深刻な海岸侵食に例えられる現象は、日本各地に起こっています。ぐるっと海に囲われた海洋国日本。そこに住まう私たちは、今一度その考えを改め、情報を共有する必要性に追われていると考えます。

また、最後にひとつ付け加えておきますが、海岸侵食などの環境問題の話をすると必ず、地球温暖化による海面上昇を取り上げる方が多々居ります。しかしそれは年に数ミリ単位の観測結果しか出ておらず、今日起こっている海岸侵食には、直接的な影響を与えていません。マスメディアから得た情報を安易に鵜呑みにするのではなく、正確な情報を収集し共有することを肝に銘じていただきたく願います。

さて、次回は九十九里の海岸侵食を防ぐT字型堤防のヘッドランドに関して記す予定ですので、興味のある方は、そちらも続けてご拝読下さい。
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